Lest we forget

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『わたしたちは忘れない』という意味のこの言葉を街の至る所で目にした。先週からカナダでは、街頭や店先にポピーの造花を持った人が立っており、第一次大戦が終わった11月11日(Remembrance Day)に向けて寄付を募っている。街には寄付をすると貰える赤いポピーの造花を服に刺した人たちが沢山いて、この日が国民的な日なのだと窺える。

 

今日はその前の日曜日ということで、戦没者を悼むミサが色々な教会で行われていた。わたしは特に何の信仰も持っていないけど、平和を願う会ということで行ってみることに。現役の軍人・退役された軍人、一般人、一般人だけど胸におそらく家族の勲章を付けたご夫人など、沢山の人が教会に集っていた。今日行った教会はAnglicanのところだからなのか、それとも単にカナダの統治者がERⅡ世陛下だからなのか、始めに『God save the Queen(英国国歌)』を歌ってから色々な朗読があり、Choirの合唱を聴き、牧師の説教を聞き、また朗読して『O Canada(カナダ国歌)』を歌い終了、と言う流れだった気がする。全部で一時間ちょい。歌には古語とかもちょくちょく出てきて「これなんて?」と思いながら聞く。St. James CathedralのChoirとても良かった。本日みっちり人詰まってたのにやはり背の高い教会は反響がすばらしい。パイプオルガンの低音も鼓膜を揺するようでとてもよかった。普通にここで歌いたい。教会と音楽と祈り、とても興味深い。祝詞ではないけど、聖書朗読のときに節?つけて読むのも面白い。また他の大きな教会、今度はAnglicanではなくCatholicとかProtestantとかのミサにも行ってみたいなあ。

 

さておき。こう100年近く経つ戦争の悲劇を忘れないように毎年祈る文化があるというの、すごいなあと思った。日本にももちろん広島・長崎・沖縄といった毎年式典を行っているところあるけど、8月15日にどこの寺でも記念法要をして人が集っているかしらと考えたとき、やってるとこもあるのかもしれないけど、ほとんどしてない気がする。良い悪いではないけど、文化の違いを感じた。でも今年春日大社行ったとき毎日の朝拝で東日本大震災と熊本地震・天災の被災者へ祝詞あげてたし(しかも我々参拝者の人数も数えて今日で○○○○○回です!って言ってたし)なあ。知らないだけで日本のどこかでもやってるのかもしれない。

 

信仰について説明するのはとても難しい。前に「あなたの宗教は?」と聞かれて「日本人は生きてる間はあんまり信仰を持っていないけど、死んだら仏教の墓に入ることが多いよ」と答えたとき、でもそれは完全な回答じゃないよなあという気がした。わたしは特に何かの信仰を持っているわけではないけど、日本の民話や神話というものにとても興味があるし、ものを大切にしないといけない気持ちの底には、物には精神が宿るという畏れがある気がする。米粒には七人の神様がいるし。仏教の特定の宗派を信仰している訳ではないけど、このまま結婚しなければ多分流れで浄土真宗の墓に入る。信仰してないけど仏像やイコン、寺社仏閣教会などの宗教施設を見て回るのも好きだ。でも神社に行けば神様にお願いする。これってなんなのだろう。宗教的にNGだけど同性婚したマテウスに話を聞いてみたかった気もするけどクラスと建物変わっちゃったしなあ。信仰は個人的なことなので、なかなか正面切って聞ける話でもないけど、興味深い。