Hit the road

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今週半ばにひいた風邪ももうほぼほぼ治ってきた。現在最終段階という感じ。今回の件で、異国で風邪を引くとこうも不便なのかと実感す。まず風邪で熱あるのに1時間もかけて日本語のわかる病院なんて行ってられっかという感じ。(※英語でよければ予約なしで行けるもう少し近い病院もある。それでも40分くらいかかるけど)保険でお金が戻ってくるとはいえその手続きもめんどいので、だったら自力で行けそうな限り頑張ってみよとなる。

 

そして、この家なのかこの国(Philippines)なのか知らんが、家庭内感染予防意識の低さにも驚く。インフルになったのはファザーだけだけど、それ以外わたしも含めて全員風邪ひいたもんね。そりゃあな!でもみんな動じないと言うか、わたしのように「風邪だ〜、布団で寝て早く治そう!」みたいな、行動を制限するということ、一切、ない。普通にインフルの人がそこらへん(リビング)に転がってTV見てるし、娘はその隣に転がるし、ご飯とか用意してくれちゃうし、わたしの知ってる日本の病人とはかけ離れた生活をしてらっしゃった。どちらが良いとか悪いとかではないけど、文化の違いだな。まあこれこの家だけの様な気もするけど。

 

久しぶりに風邪をひいたことにより、自分で蓋をしておきたかったイラチな自分にも向き合うこととなり、久しぶりにああ〜そういえば自分は元来こういう人間なのだった〜と凹みもした。普段余裕があるときは「いいよいいよ〜」と笑って済ます、この家の汚さや、だらしなさ、子供の躾のされてなさや、ご飯のクオリティ(…)など、いちいち気になっては「なんで食洗機の中に皿溜まってんのにボタン押さないんじゃ!こんなんボタン押すだけじゃろがい!」とか「なんで他の家はちゃんとされとる玄関前の階段の雪かきがされてないんじゃ!こういうのやらないのは自分がだらしないと周りに言っとるのと同じじゃろ!」とか「今日もまたこの飯か〜〜〜〜い※2日目」とか、まあとにかく色んな細かい不満がたまりまくって、そんな些末なことに腹を立てる己に凹んだ。今はもう笑って済ましている。というか気になったら自分で解消している。体調が万全でないとそういうところも崩れるから、やはり体調管理は何よりもまずちゃんとせなと思った次第。

 

そして今週頭に一瞬だけ話した日本人ワーホリの男の子が言ったことがわりと頭に残っている。彼はわたしの選択授業その2に一回だけ顔を出した子なのだが、日本人が多いからという理由でその翌日にはクラス変更をするような、とても行動力のある25歳の元・社会科非常勤講師だった。1ヶ月しか学校に通わず、残りの11ヶ月はこちらで働く予定とのことだったんだけど、すでに自分の教職経歴を活かして日本語学校に申し込み、即採用となったらしい。その彼と話しているときに「こっちきて日本食レストランとかで働くのも…しょうがないのかもしれないっすけど、何しにきてんだって感じっすよね。日本でいいだろっていう!」という「お前いまここが日本人経営の飲食店なら確実に殺られてんぞ…」発言に、しかし久しぶりにしゃんとする意見を聞いたなと思った。

 

実際のところ、わたしはワーホリで来る子が日本食レストランで働くことを悪だとは思わない。それをアテにして成り立っている日本食レストランがある時点で需要と供給は成り立っているのだし、こっちにきても英語ができるわけでもなく、お金が十分あるわけでもないワーホリの人のセーフティネットとしてはいいんじゃなかろうかと思う。ただ、彼の言うようにそこで得られる経験は、果たして「本当に海外に来てまで自分が得たかったものなのだろうか」という疑問はあるだろうなと思う。とか言いつつ実際にフルタイムで働けるのが半年しかないわたしがどんなところに勤められるかはまじで疑問だけど。たぶん半年後ラーメンとか湯切りしてる気がする(ヘイラッシャイ!)。

 

前職の経験…と考えて求人を見ると、意外と同様の職もあるにはある。ただ当然会話・やり取りはすべて英語だし、授業でちんたらやってるようなぬるい会話ではなく、わたしが現役時代やっていたようなもっとシビアな話を英語でするわけなので「いや〜無理だろ〜」と思う。そもそもわたしは同様の職をこちらでやりたいのか?ほんとに?あんな辛くボロ雑巾のがまだマシだみたいな生活を?したいの?また?日本に戻っても?と風邪の頭で色々考えた結果、前職の夢を見た。我ながら単純な頭よ。そしてそれがちょっと楽しかった。やっぱり自分以外の人と熱量を持って一緒に何か作り上げるのが好きなんだろうなあと思う。それは前の仕事を始める前も、辛くてボロ雑巾になりたいと思っていた現役時代も、辞めた今も変わらない。けどapplyするかどうかはまた別だ。わたしだって心身ともに健康な生活を送りたい。まあでも彼の一言により今週はそんなことを考えていた。がんばれ、ギャル男。(※スタイルと話し方が、日本人男性ワーホリには珍しい「ウッス!アザス!」的な、黒系メンズだった。その時点でもうキャラが濃くて興味津々丸だよ)